アルコール

るいちーログ

アルコール依存症、アスペルガー症候群、うつ病です

GW中の野球観戦のはなし

f:id:nomuraruichi:20180723010702j:plainこんにちは。今回は、初めて自己紹介以外の記事を書きます。興味のないところは飛ばしていってもいいですから、少しでもいいので覗いていってください。


上の写真は、先月3日から二泊三日で札幌へ旅行に行ったときに撮った写真です。

この旅行の一番の目的は、札幌ドームに野球を観に行くことでした。3日は対楽天戦、4日は対ロッテ戦でした(当たり前ですが相手はホームのファイターズで、そして私はファイターズファンです)


まず3日は、朝から電車に乗り、やっとの思いで札幌駅に着きました。そのあとサッとドームに行ってすぐ観戦!という風だったらだいぶ楽なのですが、そう簡単にはいきません。


まずその日の早朝、家で死にながら済ませた化粧(ファンデーションと眉毛のみ)を、パウダールームで完全体にしなければなりません。駅に着いてすぐ、キャリーバッグを引きながら近くのデパートに向かいました(関係ない話ですが、そのデパートの化粧室に行く途中假屋崎省吾を見ました。なにかお花のイベントが始まる直前のようでしたが、遠目から見てすごく...すごくテレビで見たとおりの見た目でした。それ以上でもそれ以下でもありません。私は忖度が下手な人間です)。

そのあと駅でコインロッカーを探して荷物(すげえ量の化粧用具込み)を入れ、地下鉄に乗ってドーム最寄り駅を目指します。


駅に着いたらドームまで徒歩で向かいます。たくさんの人が地下鉄を使って観戦しに来るので、ドームまでは列をつくってゆっくり進みます。通常なら10分で着きそうなところ、二倍ぐらいかかってようやく着きます。


やっとのことでドームに着いたら、チケットを切ってもらう為にまた列に並びます。それからだいたい15分後、ようやくゲートをくぐることができました。それでも人ごみはまだまだ続きます。

グラウンドと客席のまわりをドーナツ状に囲う通路を、数千〜数万人がそれぞれの目的のために進みます。

私は席に着く前に、やりたいことがありました。それはシッコ、弁当・ユニフォーム購入で、私はまず生理現象のほうをなんとかしようと思いました。

たくさんの人の間を、すいませんすいませんと言って通り抜け、ようやくトイレ入口に着いたと思ったらまた行列。(これは五分以上かかるかも...)なんて思っていましたが、運良く3分ぐらいで個室にたどり着きました。


すっきり用を足したら、今度はグッズショップに向かいます。例のごとくすいませんすいませんをして人の間をくぐると、やっぱりここも人だらけでした。

店の中すべてが寿司づめ状態のなか、ふたたび「すいませんすいません拳」を使いユニフォーム棚に向かいます。

これは身を屈め顔の前に手刀を構えながら「すいませんすいません」と言って人の間を抜けていく、川を遡上する鮭を模した拳法です。


なんとか中田のMサイズを手にとると、もう一度拳法を使用、レジ(に向かう行列の最後尾はここだよ、という看板をスタッフのお兄ちゃんが掲げているところ)に並びます。死にそうです。

並んでから約10分後、ようやくレジで会計を済ませ、寿司づめを抜けます。


終わったら再びドームをウロウロし、並んでいる人間の少ない店にならびます。もうこうなったら、なにが食べたいとか食べたくないとか関係ない。その瞬間行列の少ないこと、それが一番大事。

私はヤケになり、自分が通りがかったときに一番すいている店で弁当と酒を買いました。本当ならもう少しこだわりたかったのですが、当時私は疲弊していました。食欲よりも「並びたくない欲」のほうが勝ったのです。人間そういうことってあるよね。


「並びたくない欲」に負け、ババっと食料を得てからはようやく自由。酒がこぼれないよう用心しながら、自分の席を目指します。

初日の座席は内野一塁側指定席でした(ちなみに2日目は三塁側指定席でした。いつも一塁を守っている中田が、レフトを守っていてちょっとびっくりしました。でもうまい。空いた一塁は清宮が守っていました。二人とも頑張れ)。


せっかくの野球観戦ということで、ちょっと値段は張りますが指定席をとりました。

もし私が札幌市民だったなら「早い時間に入って、外野席、もしくは内野自由席の席取りでもしよう!時間を割いても安い値段で、いっぱい試合見るぞ!」と、はりきりまくっていたでしょう。

しかし私はド田舎のファン。観戦なんて滅多にできない貴重な体験ですから、高いお金と引き換えに時間と良い席を得るのです。


客席入口をくぐると、ファイターズのみなさんが試合前練習をしていました。それを見ながら買ってきたお弁当を食べます。

練習が終わるとちょっとしたイベントがあり、その後始球式が始まりました。その日はモーニング娘。牧野真莉愛さんが投げていましたが、とっても可愛らしい良い子だと思いました。


その後なんやかんやあって試合が始まったわけですが、はっきり言って、よく覚えていません。とりあえず終盤まで一点を追う展開だったのは知っていますが、だいぶ時間が経っているので細かいところはもうわかりません。ただ、一つの面だけが強く心に残っています。


それはきっと一生忘れることはないでしょう、清水優心の満塁ホームランです。

7回ウラ、ぼんやり(満塁だけど、そんなうまくいかないよね)なんて思って打席の清水をながめていたら、急に“バコーン”という音がして、球がゆっくりゆっくり舞い上がって、なんでもないことのようにポトリと外野中央の席に落ちたのでした。

その瞬間(オォォォォォォ...⁇)という皆の、さっきまで少し疑問符のついていた歓声が、(ウオオオオオオオ‼︎)という確信に満ちたものに変わって、とっても実感が湧きました。


私は去年の8月6日、思い切って札幌に初観戦に行きました。

体力も気力も人一倍ないのに一人暮らしなんか始めて、仕事も忙しいし家のこともやらないといけないし、ついでに言うと頑張ってるのに産まれてこのかた彼氏なんかできたことないし、すべてにおいて少しなげやり・自棄、疲労困憊でした。

そのせいもあってか野球を見始めて三年経つのに、(初めてなにかをすること)に抵抗を感じ、なかなか行けずにいました。

でも画面の中、苦しい思いをして頑張っている中田選手を見て、直接応援したいな、と思いました。

そして七月のある負け試合のあと、早足でコンビニに向かい、思い切ってチケットを購入したのです。

一人で野球を見に行くことで、彼氏をつくって「初めてだからわかんな〜い」と言ってイチャつく夢は潰えましたが、それはそれでいいのです。

そんな役はもっと若い子にまかせて、私は単なる趣味を超え、ライフワークと感じ始めた熱いスポーツを、いい加減その身をもって感じたいと、本心では思っていたからです。


そんな強い気持ちで初めて行った8月6日も、10月1日の2回目の観戦も、どちらも負け試合。しかも日ハム側のホームランは皆無でした。

ですから清水のグラスラが、私が見たファイターズの初めてのホームランであり、高梨が投げぬいたその日が、私が初めてファイターズが勝ったところを見た試合となりました。


9回表が終わると、ダフトパンクの「ワンモアタイム」がかかって、観客席から喜びの声が、あちらこちらから聞こえてきました。


そうして宇宙船(みたいな装飾を施したトラック)がどっかの搬入口から出てきて、いつのまにか私の席から見て、ちょい左に停車しました。

なぜこんなモヤッとした表現なのかというと、私の前に人がいっぱいいたからです。

実は試合が終わる間際から、内野席のみんなが手すり付近に集まっていて(なんだろう)と思っていたのですが、トラックが見えた瞬間(ヒーローインタビューだ!)と気づきました。

私も終わる前に駆け出していれば選手を近くで見れたのに、時すでにおそし。

もうギュウギュウに詰まっていて、拳法でも入り込める余地ないね。

私は諦めて、手すりから少し上段の席で静かに見ることにしました。けれどそこからでもときどき、人の隙間から選手を見ることができました。でも、基本的にはバックスクリーンに映る選手を見ていました。

普段テレビでのほほんと見ているインタビューも試合も、なんだったら現地に観戦に行くことも含め、自分が動かなければ見られない景色があるのだと知りました。


この日のヒロインは清水と高梨でした。

清水は「満塁で僕に打席がまわってきて(たぶん鶴岡さんと交代だろうなぁ)と思っていたら、僕のままでした」みたいなことを言って笑いをとっていました。


21歳にして万単位の人間を笑わせにいこうとする度胸を感じて、半端ない選手だと思いました(ちなみに鶴岡捕手は最初の所属は日ハムでしたがホークスに移籍、そして今年出場機会を求めて再びこっちに戻ってきました。私が野球を見始めた2015年にはホークスにいましたが、味方になって改めて、打力も込みでこんなに素晴らしい選手だったんだと思い知りました)。  


あのとき打っていなければ「なーんだやっぱり清水」と言われたであろう中、しっかりチャンスをものにした清水は、きっともっとすごい選手になるのだろうと思いました。


ヒーローインタビューが終わるとベンチから選手が出てきて、球場を一周しながらサイン ボールを客席に投げ入れていました。

私は席に座りながらも(あわよくば...)なんて思っていましたが、何でもそう上手くいくはずはなく、何事もなく投げ入れは終了しました。


それが終わって選手が球場から去ると「本日の試合は終了しました」というアナウンスが流れ、みんなゾロゾロと帰っていきます。

私は試合前の流れから、だいぶ“行列アレルギー”を発症していたので(今回はならばないぞ)と決意、人ごみが収まるまでドーム内にしばらく留まることにしました。


そうすると私のいる一塁側から右向かいの外野席から、ラッパの音と応援歌が絶えず聞こえてきました。試合の時に掲げていた、大きな旗も揺れています。


以前テレビで岩本勉さんが話していたのですが、これは(二次会)と言って、応援団と残っているファンの方々で勝利を喜んでいるそうです。

私は今まで、試合後この(二次会)を敵チームがしているところしか見たことがないわけで、日ハム側の外野で盛り上がっているのを見たとき、ちょっと感慨深い気持ちになりました。


試合が終わって15分ほど経った頃、目立った行列も無くなったので、通路に出ました。試合前よりはマシなものの、まだまだ混雑は続いています。

けれどお店はグッズショップ以外閉まっているし、そのグッズショップ自体が混み合っている。そもそもよく考えたら、万単位の人間が、たった十数分待ったくらいで完全に捌けるはずがない。私は野球観戦に来て3回目でようやくその事を悟り、おとなしく列に並ぶことを決めました。


そうしてなんとか外に出たら、行きと同じように駅まで列が続いていました。

私はもう(野球観戦で並ぶことは当たり前!)と腹をくくったので、行きの時よりもだいぶ心穏やかな気持ちでいることができました。

よく考えたら、少し慣れたといっても都会の景色は珍しくて、チマチマ進みながら高層ビルを観察するのも楽しいものです。

私が住んでいる町には、こんな景色はありません。ただただ低い家々が並ぶばかりで、夜になれば街灯もあんまりなくて人どおりもない、不安を感じる街です。


その点都会は人ごみができるくらい人がいっぱいいて、もし夜に寂しい気持ちになって街に繰り出しても、たくさんの人やお店やネオンがそんな気持ちを紛らわしてくれるに違いない。

そう思うと、やっぱり都会は素敵なところです。簡単に職を得られる立場ではありませんが、本当はいつか住んでみたい場所です。


帰りも行きと同じくらいの時間をかけ、ようやく札幌駅に着きました。

ロッカーに行って自分の荷物を回収、駅近くのホテルにチェックインしたいのに、ホテルの場所がわかりません。

自力で探そうと思って15分くらい駅の周りをうろつきましたが、どうにも見つけられません。

仕方がないので覚悟を決めて、駅南口で優しそうな見た目の女性に声をかけました。年の頃20代半ばくらいの、やせ型の人でした。

その人はわざわざグーグルマップなんか開いてくれて「ここをまっすぐ行ったら書店があるので右に曲がって、そのまままっすぐ進んだらヨドバシカメラのすぐそばにあります」ということを教えてくれました。

けれど私が「はぁ〜そうですか、あぁ〜」などとアホみたいな相づちをしていると、彼女は「案内しますよ!」と言って、先立って歩き始めました。

私はそのとき「えっいいんですか⁉︎」なんて申し訳程度に言いましたが、正直グーグルマップで教えてもらっている際も、なにがなんだかわからなかったので、実はとっても有難いと思っていました。

彼女は嫌な素振りひとつせず、けっしてそこから近くはないホテルまで、笑顔で案内してくれました。あんまり申し訳なくて断りましたが、途中で「荷物重そうですね、持ちましょうか」とまで言ってくれて、本当はとっても感動していました。

ホテルの入り口に着いたとき「じゃあ、ゆっくり休んでくださいね」と彼女が言い「はい、本当にありがとうございました」と私が言って別れたのですが、あのとき勇気を出してラインでも聞いていたらと少し後悔しています。

私の友達に、私が昨年婚活パーティーに参加した際「友達になりませんか?」と聞いてきた剛の者・キラキラ女子がいるのですが、私にもそんな勇気・自信があったらよかったのにと、思わずにはいられませんでした。

もしまたそんな風に誰かに親切にしてもらったら、躊躇してその時だけの縁にしたくない。だからもっと自分が(気づまりでない・つまんなくない・冷たくない)素敵な人間だと、自信を持って歩けるようになりたいと思いました。


以上が、私がゴールデンウィーク中の5月3日に札幌に行って、体験したことです。

ここまで読んでくださったみなさん、本当にありがとうございました。

もし面白いと思ったら、次に書く記事もどうか読んでください。よろしくお願いします。